ARTIST : ARTHUR RUSSELL
TITLE : First Thouht Best Thought
近年の再発で大いなる評価と関心を集めたアーサー・ラッセル、今度は永らく入手困難な時期が続いていた、84年リリースの『インストゥルメンタルズVOL.2』に、それ以前にレコーディングされた『VOL.1』をはじめとする未発表音源や、83年にフィリップ・グラスのレーベルから320枚のみプレスされた幻のオーケストラ作品『タワー・オブ・ミーニング』など、ディスコ以前の作品が収録された2枚組アルバムが登場。
アーサー・ラッセル自身をはじめ、リス・チャサム、ジョン・ギブソンやピーター・ゴードンなどが参加したバンドが、心に優しく染み渡る、時に牧歌的とも表現したくなる、穏やかな流れの叙情的でポップな響きを奏で、瑞々しい感動を覚える『VOL.1』T-1~T-10、クラシカルでミニマルな響きがゆったりと広がり、あくまで柔らかい、どこか崇高な世界を紡ぎ出す、盟友ピーター・ズモも加えた『VOL.2』T-11~T-15、2台のフェンダーローズの音色がアブストラクトに揺らぎ漂う、不可思議な感触の最初期の作品T-16収録のディスク1。
どこか哀感を帯びた叙情的な旋律が、ゆったりとたゆたい、ミニマルに織り上げられていく、静かな感動が押し寄せるT1~T-7に、タグボートなどの蠢くような低音環境音ドローンのうえに、拙く連なるチャーミングかつスペイシーなキーボードの音色が漂う、ファンタジックなアンビエンスT-8のディスク2。
ライナーにプリントされた、虚ろといってもいい程、無防備に虚飾を配したような表情も鮮烈な印象を残す、アーサー・ラッセルならではの温もりを湛え、ぐッとくる感じが堪らない、全てが普遍的な美しさを獲得した、改めてその才能を認識させる、なんとも素晴らしいアルバム。