ARTIST : RY COODER

 TITLE : Boomer's Story

アメリカ中西部から南部、さらにカリブ海を渡り南米へ旅するような懐の深い演奏が続く、72年の傑作サード・アルバム。死亡説が流れ、電気も水もないボロ小屋で再発見された時は左目も失いカポ代わりに鉛筆を使っていた、人生そのものがハードな旅というスリーピー・ジョン・エスティスほか敬愛するミュージシャンを迎え、独特の乾いた叙情と哀愁溢れるメロディが結実している、慈愛に満ちたやさしい作品。ジェリー・ガルシア、ジョン・フェイヒーを抑え、米ローリング・ストーン誌で歴代ギタリスト堂々8位に選ばれた、ニュアンス豊かなライのスライド・ギターに何度も心を鷲掴みにされる「Dark End Of The Street」が白眉で、ラストは郷愁をたっぷり含んだ最高のトレイン・ソング。奥さんスーザンによる、旅に誘われているようなポートレイトも秀逸。邦題は「流れ者の物語」。