BOARDS OF CANADA

The Campfire Headphase

重なり合う神秘的なビートの隙間から極上のメランコリーが姿を現す。実は兄弟だったスコットランドのデュオ、ボーズ・オブ・カナダが英WARPから05年にリリースした、サウンドそのものに特別な力がある、疲れた身体を癒し魂を再生させるサード・アルバム。まるで色褪せた写真のようなオープニング、のびきったテープから聴こえてくる不思議とノスタルジックなギター、波打ち際のざわめき、鳥のさえずりを奏でるエレクトロニクスが、沈み込むビートと手を取り合い穏やかな幻想へ誘う「Chromakey Dreamcoat」はじめ、一音一音の中に神々しい何かが潜んでいる、独特の雰囲気を持った本作。えも言われぬ甘美なやすらぎが残る、深淵な「Peacock Tail」は、もっとも美しい時間。何十年も風雨にさらされた廃車のダッシュボードから発見されたフォトブックにも見えるアートワークも素晴らしいこの感受性をトータルに身体で感じるには、目の前の日常から離れて。

BOARDS OF CANADA

The Campfire Headphase

重なり合う神秘的なビートの隙間から極上のメランコリーが姿を現す。実は兄弟だったスコットランドのデュオ、ボーズ・オブ・カナダが英WARPから05年にリリースした、サウンドそのものに特別な力がある、疲れた身体を癒し魂を再生させるサード・アルバム。まるで色褪せた写真のようなオープニング、のびきったテープから聴こえてくる不思議とノスタルジックなギター、波打ち際のざわめき、鳥のさえずりを奏でるエレクトロニクスが、沈み込むビートと手を取り合い穏やかな幻想へ誘う「Chromakey Dreamcoat」はじめ、一音一音の中に神々しい何かが潜んでいる、独特の雰囲気を持った本作。えも言われぬ甘美なやすらぎが残る、深淵な「Peacock Tail」は、もっとも美しい時間。何十年も風雨にさらされた廃車のダッシュボードから発見されたフォトブックにも見えるアートワークも素晴らしいこの感受性をトータルに身体で感じるには、目の前の日常から離れて。

PAPA M

Live From A Shark Cage

スリント〜トータスを渡りあるいた天才ギタリスト、デヴィッド・パホの繊細な情感を余すことなく伝えるギターのフレージングが本当に素晴らしい、99年の大傑作インスト・アルバム。サステインの効いた消え入りそうなほど儚いトーンで、哀愁を帯びたメロディが詩情豊かに紡ぎ出される、甘美でロマンティックな本作。自分自身の奥深い部分にコネクトできる、ラストのメディテーショナルな2曲は、一番暗い底に降りた人だけに流れる悠久の時間。聴き終えた後は、穏やかな余韻だけが残るはず。

NEIL YOUNG

On The Beach

栄光と絶望。全米1位となった前作『HARVEST』の大成功がもたらした苦悩、孤立、疲労感からボロボロ状態だった当時29歳のニール・ヤングが新しく歩みだす、冒頭2曲の流れが素晴らしく、「See The Sky About To Rain」の美しさは本作のハイライト。荒野の美をみせつける、荒れ果てた中盤の3曲をくぐり抜けて用意された、光がさしこむラストの3曲も絶品。聴き終わるころには、心にからんだ余計な疲れも浄化され、肩の力も抜けるはず。当時の評論は、「過去10年間で最も絶望的なアルバム」。

MARION BROWN

Vista

スタンリー・カウエルの美しいピアノと、心地よい情感を紡ぎだすゆるやかなコンガに導かれスタートする、孤高といわれた黒人アルト・サックス奏者、マリオン・ブラウンの静謐な75年作。チル・エアーな「Bismillahi 'Rrahmni' Rrahim」での、星の瞬きのように美しいエレクトリック・ピアノは、ブライアン・イーノのオブスキュアからの作品で知られるハロルド・バッド。優しい光りに包まれた、柔らかな響きのスピリチュアル・ジャズ。

KIM HIORTHØY

Hei

どっぷり耽溺できるノスタルジックな音色のエレクトロニクスと、アカイの古いサンプラーから鳴らされる柔らかいビート・フォームの上で、現実と夢がメランコリックに交錯する、北欧のエイフェックス・ツインといわれた初期作品集。一つ一つの音の響きに本当に心が鎮まる、最高のベッドルーム・ミュージック。目を閉じて音楽に集中すると、まるで別の世界にいるよう。

TAKAGI MASAKATSU

Air's Note

高木正勝作品の中でもっとも耽美な06年作品。エレクトリック・ピアノの透明な音が美しく、木漏れ日の中で聴きたい「Ophelia」、迷い込んでしまった森を彷徨う感覚が心地よく、鎮静効果がある珠玉のアンビエント・トラック「Entrance」、ピースフルな空気に包まれる「Watch the World」など。製作中は何度も山に行き、森林の中で多くを得たという「Any」は、自然への憧憬が結実した名曲。

MIKE WESTBROOK CONCERT BAND

Love Songs

不安を取り除く効果がある、懐の深いノーマ・ウィンストンのヴォーカリゼーションに癒される、祈りのフィーリング、甘美なメロディが詰まった英国ジャズ・ロック名盤『Love Songs』。浄化するように染み込んでくる、フリー・ジャズ世代による、自由と解放をもたらす至福のビッグ・バンド・アンサンブル。音楽って本当にいいなぁ、と実感したい人にぜひ。

GAVIN BRYARS

The Sinking Of The Titanic

北大西洋上で氷山に衝突した後も沈没する瞬間までデッキの上で演奏され続けた、とても美しいメロディを持つ賛美歌「オータム」が冷たい海の底で永遠に演奏される、悲しい事実に基づいた『タイタニック号の沈没』。ブライアン・イーノが立ち上げたオブスキュア・レーベルの第一弾としてリリースされてから、20 年後にリ・コンポーズされた本作。この一条の光りがどこにもない、かけがえのない1枚になりますように。